糸 本の間に指を入れて制止する紙の沈黙 やや焦がれたこの胸は松の林に逃げ込んで挟まれた糸は全部焼いた君の煙草君の睫毛で 今はもう裏返った眼鏡も言う事を聞かない時計も忘れて喉に詰まる埃も痛む背中も全て飲みほした まるで蜂の柔らかい毛の様に君にもたれて眠りたい あぁ、君の瞳は山羊の様ですね白い蹄をひざまつかせた地面 お喋りの指には青い花を咲かせて又お会いしましたね、と笑窪は笑い又お会いしましたね 今も貴方には白いレエスが良く似合っている